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熱血先生図鑑

    サニーアクシス南国店|久保さん


     嶺北高校では、生徒によるReihoku Youth Neighbors(RYN)を組織し、地域の特産品を活かした新商品開発に取り組んでいます。現在の嶺北地区は、進学や就職のために地域外に出ていく生徒が多いのが現状。前任だった室戸高校も同じ課題を抱えており、地域に子どもたちを残すために、何かできることはないかと常に考えてきました。
      特別栽培米「土佐 天空の郷」、嶺北八菜、土佐ジロー、土佐赤牛。嶺北の山々が蓄える栄養満点の水で育った食材はどれも絶品。私には喘息とアレルギーの持病がありましたが、こちらに来てずい分改善されてきました。この素晴らしい食材を地域内だけで消費するのはもったいない。生徒たちにその素晴らしさを再認識してもらい、全国に発信して欲しい。RYNのネーミングには、【地域とともに】【その担い手として】【将来を考える若者になる】という決意が込められています。いつかは自分たちが生み出した商品で雇用を増やし、地域を支える担い手として活躍してくれることを願っています。

     家庭科と技術の教員だった祖父母の影響でしょうか、物心が付いた頃から先生になると宣言していたそうです。国語や数学、理科、社会、英語などいずれも大切ですが、私は生活の基礎である家庭科の教員になる選択をしました。子どもたちが元気に力強く生きていくために、その知恵をしっかりと伝えたいと考えてのことです。
      お米の洗い方や洗濯機の使い方も知らない子どもたちが増えてきています。新学期に持参してもらう雑巾など、100円ショップで購入したものがほとんど。裁縫箱のない家庭も増えてきたようですが、ボタンが外れたぐらいで服を捨てるのではなく、自分でボタン付けをしてほしい。母親を手伝って一緒に夕飯を作ったり、兄弟の面倒を見たり・・・かつての家族関係が失われつつあります。家庭科の学びを通して、生きることの基礎を伝えていきたいのです。

     以前、大学に進学する生徒が非常に少ない高校に赴任していたことがあります。ある年、熱心に勉強している生徒に国公立大学の受験を勧めようとしましたが、本人は専門学校に行くことを早々に決め、受験など無理だと思い込んでいました。周りの雰囲気も積極的ではなく、その生徒の潜在能力は磨かれる状況にはありませんでした。私は、その生徒の能力を引き出すことを考え続け、いろいろな経験をさせ続けました。そして3年生になって、「合格したよ!先生、ありがとう」の留守番メッセージ。志望した国公立大学に合格した知らせの入った古い携帯は私の宝物です。
      生徒それぞれが持つ能力、秘めたる力は無限大。生徒一人ひとりの可能性を信じて、生徒の力を最大限に伸ばす。それこそが教員の務めです。すぐには実を結ばないこともあると思います。しかし、いつか高校生活を振り返り、あのとき先生がこんなことを言っていたなと思い出し、その経験を糧にたくましく生きてほしい。それが私の一番の喜びであり幸せです。その未来を信じて生徒と向き合う毎日です。